ちろる

映画女優のちろるのレビュー・感想・評価

映画女優(1987年製作の映画)
3.8
「田中絹代」の女優人生を見せながら辿る、市川崑監督による日本の映画史。
結婚離婚を経て、女としてひとまわり大きくなった頃、浪花女で溝口健二に起用され、映画人生打ちのめされるほどに鍛え直される田中絹代が勝気な性格ゆえに闘志を燃やす。

西鶴一代女での再会。
本当に田中絹代らしいものを見つけてどうしても演じてほしいという溝口の願いがなんだか監督からの愛の告白みたいで、なんともあの宿での吉永小百合が色っぽい。

この頃吉永小百合さん、計算するとなんと、42歳!若い!やっぱいなぁー美しすぎるなぁー

市川崑監督の光と影を操った美しい映像に包まれた吉永小百合さんの神々しさよ。

溝口に対してのただならぬ想いが狂気のように渦めく、魂の演技が女優田中絹代を一層深みのあるものにして、、、

一向に抱かれぬ男に「女」にされる。
あゝこれが映画という世界。

それは女優という職業でなければ味わえない多幸感を吉永小百合さんを通して体感させてもらえる130分。
田中絹代さん主演の溝口作品を一層楽しくなりそうです。
ちろる

ちろる