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突撃隊のcatmanのレビュー・感想・評価

突撃隊(1961年製作の映画)
5.0
1962年公開のドン・シーゲル監督作。大ブレイク前夜のスティーブ・マックイーン主演、共演に若きジェイムズ・コバーン、シーゲル常連組のハリー・ガーディノという俺的に玉乱珍なラインナップ。舞台は第二次大戦、欧州最前線で孤立した6人の米軍小隊が独軍と死闘を繰り広げる物語で、邦題は『突撃隊』。何の工夫も面白味も無いタイトルだけど、原題は『Hell Is For Heroes』 これは痺れますな。
流石に60年近く前の、しかも低予算映画なので地味なシーンが続く序盤はちょっと退屈するものの、戦地に赴いてからはムードがグっと引き締まり終盤の激しい戦闘が始まるともう目が離せない。シーゲル監督らしい無駄のない演出と乾いた暴力描写が冴え渡り、主要人物の死に様がどれも強烈。あとやっぱり緊張感溢れる夜間撮影が素晴らしい。
マックイーンの役所も一捻りあって、寡黙な一匹狼、だけで終わらず過去の過酷な戦争体験よる影響から精神を病んでいる様子を見せる所がいい。目つきがヤバい。派手なアクションは割と控えめながら、時折見せる軽快な身のこなしや、銃器を扱う手捌きは流石。陰影の強いモノクロ撮影の効果もあって、まだ30代前半だというのに渋く憂いを帯びた面構えはもう既に"The King of Cool"のオーラが見える。ちょっとカッコつけ過ぎな気もするけど。

ラストは圧巻の幕切れ。感傷的な余韻を残したり、あからさまなメッセージ性を持たせずに、スパッと終わるのが実にドン・シーゲルらしくて最高なのだ
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