horahuki

ヴァイラスのhorahukiのレビュー・感想・評価

ヴァイラス(1998年製作の映画)
3.7
海上に漂ってる無人の大型船に乗り込んだら、中にヤベェ奴がいた!っていう『ザ・グリード』とか『ゴーストシップ』的な昔懐かしい雰囲気が漂う楽しいSFホラー。

勝手に人間の宇宙ステーションを乗っ取って、そのまま勝手に地球にやってきて、勝手にコンピュータをハックして「人間は地球にとってのウィルスだ!」とか何とか言って人間を排除し始めるという超お節介野郎で典型的正義マンなエイリアンくんに「外野がピーピーうるせぇーんだよ!」って感じで鉄拳を突きつける人間様の足掻き。お前は地球の何なんだよ的な。コンピュータっていう人間が作った情報に(恐らく真偽も確かめずに)踊らされちゃう程度の低いエイリアンくんに何も言われたくないですわね。否定はしないけど(笑)

というか、もしコンピュータからフェイクニュース的なテキトーな情報ばっかり抜き取っちゃったらどんな感じになるんかな?めちゃ鬱陶しい存在になりそう…😅

コンピュータから人間の殺し方も学習したっていう、何でもかんでもコンピュータから学習してくる典型的現代人なエイリアンくんは、どこから情報を仕入れたのか人間を部品にして半分機械半分人間なバイオメカノイドを精製。そいつらが人間を殲滅しに襲いかかってくるんだけど、バイオメカノイドさんは人間よりかは頑丈だけど普通に銃で倒せるっていう…。目的に対して手段に手間暇かけ過ぎな感じが笑える🤣どうせならターミネーター連れてこいよ!

磁気嵐みたいので突進しただけで宇宙ステーションぶっ飛ばしてたんだから、もっと簡単に目的達成できそうなのにね。コンピュータで『鉄男』とか『AKIRA』とかクローネンバーグの映画でも見て影響されちゃったんかな。もしかしたらエイリアン視点で、ネットの情報に踊らされるなよっていう警鐘を描いた反面教師的な映画なんかな…とか邪推しちゃうレベル。

でも、この機械と人間が融合したバイオメカノイドさんのビジュアルがなかなか凝ってて、良い感じに嫌悪感を醸し出してて好き。倒したと思ったら頭蓋骨に足が生えて本体から抜け出してくるっていうアイデアが凄いし、脳を取り出して改造手術するシーンがあったりで見てて単純に楽しかった。地球を支配してる側の人間が、ただの屑鉄みたいなやつの部品に成り下がるっていうSFホラー的な生理的嫌悪感と、思いあがんなよっていうメッセージを両立させたアイデアも良かった。

『ザ・グリード』みたいなザ90年代って感じの脳筋ゴリ押し展開もツボだし、超カッコ良いランチャー発射シーンもあるし、テンションだけで最後まで乗り切ってくれるし、金の亡者なドナルドサザーランドさんも見れるし、疲れた時とかシンドイ時にピッタリな爽快ムービーになってるから、明日から仕事か〜っていう憂鬱と連続ポンジュノで溜まってたズーン…って気分をちょっとだけ晴らすことができました👍かなり前に、フォローしてる方のレビューで気になってたんだけど、もっと早く見れば良かった〜。ちなみにアメコミ原作らしいです。
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