冒頭で親分が殺されて、跡目を鶴田浩二と大木実のドッチが継ぐか…てほぼ『博徒列伝』と同じヤン？と思いましたが、跡目を譲った鶴田浩二は親分の仇を尋ねて会津郡山に流れ着き、そっから１時間弱は仇探しの諸々の顛末…と少し雰囲気の違うお話にはなってますね（旅情溢れて）。んで黒幕が判明して帰京…てトコロでテンポ好く大木実はま～た殺されて（ま～た可哀そうな役回りでしたが、今回は相当に手子摺らせてしっかり見せ場にもしてましたケド）そっからは自然な流れでカチコミへと向かう…という、総じてごくシンプルで分かり易い展開運びだと思いました。
シンプルなその流れの中で順繰りに出て来る高倉健だ若山富三郎だ（あと悪役連中だ）の見せ場もまたテンポ好く・分かり易くて好いのですが、中でも好かったのは肝心の仇・池部良でしたかね。既に肺病に冒されて瀕死の状態ですが（超・顔色悪い）それでも中々に色気と凄みを兼ね備えた見事な演技でした（＋敵役とは言え筋の通った立派な任侠でしたし）。あと、今回のカチコミは比較的かなり凄惨だったとゆーか、相当に派手にドスをビシビシバシバシ突き立てまくって（遠藤辰雄なんて5,6回はブッ刺されてましたかね）だいぶんエグかったな、と思いますね。しかも舞台は浅草の仲見世（＋またお決まりの雪化粧）とその点からも面白く（＋少し美しく）観れる好いカチコミだったかと。結論的には良作。
