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ミスター・ソウルマンの一人旅のレビュー・感想・評価

ミスター・ソウルマン(1986年製作の映画)
4.0
スティーヴ・マイナー監督作。

C・トーマス・ハウエルが主演を務めた80年代学園コメディの隠れた良作で、黒人に成りすました白人の青年が巻き起こす騒動を描きます。

ハーバード法科大学院に合格したものの、父親から学費の援助を断られてしまい窮地に立たされた主人公の青年:マークが、起死回生の一手として、黒人学生を対象とした奨学金を不正に入手すべく強烈な日焼け薬で黒人に成りすますという異色のシチュエーションで突っ走った“成りすまし学園青春コメディ”となっています。

奨学金のため黒人に変装して大学生活を送る白人青年が巻き起こす一連の騒動を、経済的に困窮したシングルマザーの黒人ヒロインとの恋のゆくえを軸に描いた青春コメディで、白人であることがばれないように必死で立ち回る主人公の奮闘模様がコミカルに活写されますが、主人公が黒人になって初めて味わう人種差別や経済格差といった黒人の境遇がなかなか社会派なテイストとなっています。

主演のC・トーマス・ハウエルが主人公の青年をナチュラルな全身黒塗りメイクで好演していますし、黒人歌手ヴェスタ・ウィリアムスによるエンディングテーマ“Suddenly It’s Magic”も聴き所となっています。

蛇足)
主演のC・トーマス・ハウエルは本作での共演をきっかけにヒロイン役のレイ・ドーン・チョンと1989年に実際に結婚しています(翌年スピード離婚)。
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