ゆき

ペパーミント・キャンディーのゆきのレビュー・感想・評価

4.4
どんどん過去に遡っていく内容なので、初めはついて行くので大変で主人公にも感情移入が出来ず、観客は置いてけぼりをくらってしまうため見るのを止めてしまう方もいるかもしれませんが、ぜひ最後まで見てください!!!なんで主人公が最終的にあんなに狂ってしまうのかが明らかになればなるほど、そして観客の私たちは映画の冒頭で主人公の結末を知っているからこそ、苦しくて切なくて絶望的になると思います。
とにかく主人公のソルギョングの演技が上手すぎて、いい意味で怖かったです。純粋な青年から色々と経験して心が病んで荒れていく人まで、顔の表情から雰囲気から何から何まで完璧になりきるソルギョング天才すぎる!!!個人的にメガネでタバコ吸ってるソルギョング好きでした…
「1987、ある真実の闘い」や「タクシー運転手」でも取り上げられてる「光州事件」が、今回の映画でも重要な場面になっていますが、映画で見る度にえげつない事件だったなと何回みても心がとてつもなく痛くなります。そのような歴史を風化させることなく、文化を通して現代の私たちに伝えていく姿勢の韓国映画がまた好きになりました。それでもみるのは辛いけれど…
「人生は美しい」のか?とこの映画を見たあととても考えさせられます。美しさだけでは成り立たない人生の不条理さで苦しい。なんて絶望的な映画!となりますが、見て良かったです。
ゆき

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