2MO

エヴァとステファンとすてきな家族の2MOのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

反資本主義やウーマンリブを唱える若者革命の空気は、1975年のスウェーデンにも届いていた。

いつも反対のことを言っている。既成の価値を否定するのは、小難しく捻くれた物言いの子どものすることか。
しかし皆が同じ“度数”で世界を見ていたら、それこそファシズムではないだろうか。
いかなる時代にも在野に立つことは、きっと若者の役目。親は偉大なる反面教師。
反対の反対は、賛成。間違いを繰り返しながら、正しきを歩む人類の歴史。
大局的には、その闘争を貫けばいい。

でもちょっと小休止。

人生の基盤は日々の生活にあることを忘れてはならない。譲り合いなくして共同体は保てない。緩やかな人間関係の中に幸福はある。
ちょっと思想は横に置いて、社会主義も社会民主主義も置いといて、食卓を囲もう。あとで一緒にサッカーをしよう。
「この世で孤独ほど恐ろしいものはない」から。

ハートウォーミングな結末の裏に、許されない者は共同体から外れていく無情な現実も含意されている。

「S. O. S.」 by ABBA
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