パン

エンター・ザ・ボイドのパンのレビュー・感想・評価

エンター・ザ・ボイド(2009年製作の映画)
4.5
ギャスパーノエx東京。
性と死とドラッグを描いた問題しかない問題作。 
信じられないくらい強烈なトリップムービーだった。
ここまでドラッグを深く追求してる映画って他にあるんかってくらいの映像の数々に圧倒される。

今回もギャスパーノエショットが炸裂してたな。  
まず冒頭のDMTのシーンとかFPS視点で長回しなのもなんかセンス良い。
次から次に何が起こるかわからなくて観ててワクワクする。 

この監督ってこの監督じゃないと絶対に真似出来ないような映画を出してくるから好きなんだよな。 
オリジナリティーが非常に高い。   

ただ短所として目がチカチカしすぎなのと、どうしても目が回るようなカメラワーク(いつものことだが)が辛い。
勿論「それが良いんだよ!」って人も多いだろうが。

あと描きたいものはわかるんだけど、尺長すぎる気もする。
特に回想シーンは少々だるい。 
この題材なら1時間50分くらいが理想だと思うな。 

あのトリップ仕様の模型めっちゃキラキラしてて綺麗だね。
終盤のラブホテルシーンは本当に凄すぎて鳥肌立ちっぱなし。
ラストも予想外だった。ここで輪廻の伏線回収来たか… 
俺も天国から東京を見てみたい。

自分は違法な薬物こそしたことはないが、一時期ベンゾ系薬物(マイスリーやデパス)のODにハマってた。そしてそれなりに幻覚も見た。酒じゃ体験できないような感覚や世界を見てきた。
もう何年も辞めてるが…だからこの手の映画を日本人にしては結構感情移入しやすいかもしれない。
勿論それでドラッグを理解したつもりになってるわけではないけどさ。

人は死ぬときに大量の脳内麻薬が流れるらしいね。
「死は究極のトリップ」か…
一体どんな感覚なんだろう。
死ぬまでしっかり自分の人生を生きて、楽しみとしてとっておこう。 
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