浅野公喜

摩天楼ブルースの浅野公喜のレビュー・感想・評価

摩天楼ブルース(1979年製作の映画)
3.8
DJのヤスヒコ・アカサカも在籍していた東京JAPのヒット曲と同じタイトルの、故・ジャン=マイケル・ヴィンセント主演の人情アクション。 ジェリー・ブラッカイマーも製作に参加。

ジャン演じる主人公の流れ者がNYの下町にやってくるわけですが、そこはチンピラ達が荒らしており知り合った住民達と共に立ち向かう・・という内容で、主人公は意外とすぐやられたりチンピラ達も極悪というより小悪党という感じでこれまた意外と弱い、そしてアクションもそこまで派手でないのですがラテン系の少年や上の階に住むヒロインといった住民達との交流を通じ、部外者という意識だった主人公に正義感が芽生え、少年の保護者的役割の元ボクサーや過去の栄光が忘れられないダニー・アイエロ演じる中年達を鼓舞する流れが清々しく、当時の治安の悪そうなNYの雰囲気の中で終盤一応ながら血だらけで殴り合いの喧嘩もする様は、意外と大人しかった同時期の「ウォリアーズ」よりも個人的に魅力的に感じました。

ジャン=マイケル・ヴィンセントの70年代の作品だと、この他にもインディアンに超能力を授けられ悪霊と戦う「悪霊」、故郷の町で過激化する自警団を率いる兄と戦う「恐怖の暴力自警団」といったものが気になるのですが、今の所鑑賞が難しそうなのが残念。
浅野公喜

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