浅野公喜

名探偵コナン 14番目の標的(ターゲット)の浅野公喜のレビュー・感想・評価

3.7
先日観た「時計じかけの摩天楼」に続く劇場版第2作。前作を観た勢いで・・というのも有りますが、友達がエンディングのZARDの曲が良いと言ってたのもきっかけで鑑賞。やっぱり前作同様初期のキャラクターデザインが懐かしいです。

今回はトランプのカードになぞらえて小五郎の嫁・妃英理や目暮刑事らメインキャラも巻き込み、次々と色んな人間が襲われる羽目に。前作より推理に重点を置きつつもヘリで不時着、海洋レジャー施設の崩壊とアクションも充実したバランスの良い作風で実は射撃の腕前が優れた小五郎の若い頃や活躍が観れるのも嬉しい所。また、かつての小五郎とコナンの行動が重なる終盤(コナンの周りをぐるっと動くカメラワークが秀逸)も良いですが、全体的に観るとちょっと印象が薄目。

小五郎がかつて人質となった英理を撃った理由はなるほど、と思ったのですが今作ではもう一人の主役と言えそうなその小五郎とコナンが力を合わせる所が思ったより少なく、ベタながら小五郎が愚痴を言いつつも(入院中の設定ですが)英理を窮地から救い彼女は愛情を再確認、それがコナンにとって蘭を救う強い原動力になり(更に加えるならボロボロの小五郎に「蘭を頼む」と言われ)小五郎とコナンは「愛する人を守る者」同士で繋がるという流れならより胸熱だったかもしれません(妄想)。あとは「ダイ・ハード」の警官の如く小五郎がトラウマで銃が撃てないのを克服するとか。


とはいえ病院に運ばれた際の英理のメガネ無し&髪をおろしたビジュアル(こっちの方が好み)、犯人の二面性(と演技)、想像通りながら蘭のコナンが新一に見える幻想、カシオペア(櫻井哲夫)やT-SQUARE(伊東たけし)らも参加の開放的なフュージョン風のBGM等も悪く無く、おおむね満足です。

主題歌のZARD「少女の頃に戻ったみたいに」は友達も言ってましたが「赤いハートで」という歌詞がある為「時計じかけの摩天楼」のエンディングならもっとマッチした気がしますが、確かに良い曲でやっぱりコナンの主題歌はビーイング系だなと改めて感じたのでした。
浅野公喜

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