ウォン・カーウァイ作品を観るのは3作目にして、彼の映画が好きだと言う事を確信した。粗い画面、暴力的なまでの愛、官能的なキャラクターと話、色、撮影等、今やればダサくなりかねない、少し時代を感じる画面が何とも言えずカッコイイ。
ウォン監督作品には、スピルバーグ的な即物的な映像の快楽や衝撃もあるが、村上春樹の小説の様な、観終わった後に世界の見え方が変わってしまう何かがある様に思う。
観ながら終始、どうしたらここまで東洋を綺麗に切り取れるのだろうか、と思った。街や人々の、時として見せる醜さ、汚さ、正しくなさまでもが本当に魅力的だった。
そして本作にはそれらが詰まっていた様に私は感じる。
全登場人物が美しく色っぽかったが、個人的にはチャン・ツィイーが好き。