シミステツ

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離のシミステツのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

ユーロトレインで偶然出会ったジェシーとセリーヌのふたり。
生きていることの輝き、死への恐れ。心の通い合い。ウィーンに降り立っての散歩。レコード店で試聴するシーンではお互いを想うもどかしさが滲み出ていて素敵だった。占い師の存在も効いている。99人の女と1人の男が島にいたら翌年99人の赤ん坊が生まれるというくだり好きだったな。電話ごっこして出会いを回想して本心を話すシーンめちゃくちゃいい。隣の席に座ったのはわざとだったり既にお互いに惹かれあっていたという。現代が喪失した出会いと別れと再会。心の機微が美しい。


「夫婦はお互いの声が聞き取れなくなるの」

「私は24時間死を恐れている」

「人生のもどかしさを受け入れなさい」

「あなた方は星なのよ。忘れないで」

「これ以上ダメよ もう二度と会えないんですもの」

「列車を降りた時寝てもいいと決めてたの」

「もう二度と会わない約束なんかしたけどイヤだ」

「この駅で5年後に会うのは?」
「5年後?長すぎる」

「半年後の昨日だ つまり6月16日だね 9番線のホームで半年後の午後6時に」

「12月16日ね」

「手紙や電話は?」
「必要ない」