anna

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離のannaのレビュー・感想・評価

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もう今から10年ほど前。
20代前半の頃のどうでもいい話。

私は昔からお酒が好きでビールが好き。
家で飲んでも酔えないから外でよく飲んでいた。

あれはあったかくなった春のこと。
会社からの帰り道、川沿いのベンチでお花見がてら、ビールを飲んで、カラムーチョを食べて、桜をぼんやり見ていた。

すると隣のベンチにいた人に声をかけられた。
私のことを珍しく思ったようだった。
何の話をしたかはまったく覚えていない。
私は多分酔っていた。
彼は保険会社で営業をしているようなことを言っていたと思う。それしか覚えていない。

もう帰ろうとなり、コンビニに寄って缶ビールを奢ってもらい歩きながら駅に向かった。
別れ際、彼は「明日また同じ時間に同じ場所で会おう」と言った。
私は陽気に返事した。

次の日、なんとなくそのことは覚えていたけど、雨だったし、というのはこじつけで、同じ場所に向かう気持ちは1ミリもなかった。
なんか保険に入らされそう、と思ったのだった。
あの日あの場所に向かえば、何か変わっていたかもしれない。

そんなどうでもいいことをちょっと思い出した。
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