ウッディ・アレンが出演せずに脚本・監督に専念した粋なラブ・コメディ。
「キートンの探偵学入門」のトリックをウッディ・アレン風に味付け。
映画を見ることを心の支えにしている人妻の姿を、夢と現実を織りまぜて描いている。
アレン作品のベスト。
原題:The Purple Rose of Cairo (1985)
30年代半ば、不況下のニュージャージーに暮らすウェイトレスのセシリア(ミア・ファロー)は、失業中で遊び歩く粗野な亭主(ダニー・アイエロ)から暴力を振るわれ、生活に希望が見えない日々を過している。
「カイロの紫のバラ」という映画を5回見ていると、大好きな主人公(実際は脇役)トム(ジェフ・ダニエルス)が話しかけてきて、スクリーンから抜け出してくる。
トム役の俳優のギル(ジェフ・ダニエルス)も現われる…。
「夢に惹かれても、現実を選ぶしかないの」
ミア・ファローが優れた演技で主人公の女性を魅力的に演じ、"スクリーンの中の登場人物"も脇を固める。
脚本とバックに流れる音楽も素晴らしい。
フレンド・アステアとジンジャー・ロジャース主演の「トツプ・ハット」がうまく使われています。
