B姐さん

殺人狂時代のB姐さんのレビュー・感想・評価

殺人狂時代(1967年製作の映画)
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やたらと日活無国籍アクションの香りがすると思ったら、やっぱり日活ボツ作品(主演は宍戸錠の予定だったらしい)のお流れで、とてもキテレツでポップな怪作なのであった。
仲代達矢は『斬る』の時のような無表情、無感情。洋服を仕立てた途端に、髪型から「ルパン三世」のようになるのが可笑しい(脚本クレジットに初期『ルパン三世』のメインライター、山崎忠昭の名が!)。対する天本英世は完全に「死神博士」。
とにかくマトモな人は一切出てこず、「基地の外」にいる人たちによる、"クレオパトラの涙”という宝石をめぐってドライな殺し合いが展開する。そしてそこには血がほとんど流れない。
それがこの映画の“ブラックさ”をよく表している。
お気に入りは団令子の拷問シーンの映像(映画内映画のよう)。ハイコントラストな映像がいい。そんなことを言うオイラも基地の外にいる。

DVD(9/6/2014)
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