このレビューはネタバレを含みます
名作深海SFということでかなり期待して見ました。名作映画はタイトル画面が良いという個人的ジンクスがあるんですが、本作もその辺りかなり良かったです。
深海SF、というだけあって「海」についてフォーカスしてくれてたの嬉しかったです。開始5分ですでに海の怖さを教えてくれますし、溺れそうになるリンジーの演技はめちゃくちゃ凄くて、見てるだけでこっちも息苦しくなりました。そんじょそこらのホラー映画の比じゃないくらい怖かったです。
一方で「海の美しさ」もしっかり表現してくれており、ラストの太陽の光を反射させる海水の美しさは今までの映画で見てきた海の中で一番綺麗でした。
ストーリー自体は個人的にちょっと好みじゃなくて、何というか、「海底パニックもの」としてみればいいのか「ファーストコンタクトもの」としてみればいいのかよく分からずに観てる時間が相当長かったです。
中盤まではほぼ人間同士の争いなので、「神秘的な海でやることが内輪揉めなんだ」みたいな感じが拭えず、もったいない感じでした。
ただやっぱり映像は素晴らしくて、あの時代に「海」っていう人間の力では到底コントロールできないものをあんなにも綺麗に撮影できるのがすごいし、エイリアンと遊泳して竜宮城みたいなところに行くシーンは音楽・映像・カット割りの全てが完全に調和していて、映画としての凄まじい力さえ感じました。
古い映画ということもあり予定調和的に物語が進むきらいはありますが、それでも唯一無二な深海SF映画ということで、相当楽しめました。ラストの爽快感は素晴らしかったです。酸素がある地上で生活できるって本当に幸せなんだと思えました。