片腕マシンボーイ

エトワールの片腕マシンボーイのレビュー・感想・評価

エトワール(2000年製作の映画)
2.6
演劇やコンサート、そしてバレエ
その裏側を追ったドキュメンタリー映画や番組
凄く苦手だった
なぜならその舞台を作り上げ
裏側から支えるのが日課だった時代があったからだ

そういったドキュメンタリーやライブDVDとか観てると会場入りするバンドの様子だったりリハの様子だったりが特典映像で入ってたりすることがあるが
その後ろや周囲で働く裏方の姿が映りこむ
するとついつい仕事のことに気がいって作品が楽しめなかったりするのだ

しかし、転職して数年が経ち
そういったシーンを観ると懐かしさや思い出が蘇ってくるようになった
あのダンサーの子可愛かったよな
とか…
あの女優の乳が堪らんかったよな
とか…
ino氏も言っとったがやっぱり白タイツは神々しいな
とか…


パリ、オペラ座のバレエダンサーを追ったドキュメンタリー
当時は日本では誰もが知っている劇団で仕事をしたりもしたが
オペラ座のバレエダンサーの努力は正直レベルが違う…
もう寝る時以外はバレエの事しか頭にない
生活の全てがバレエを基礎に成り立っている
子供の頃から遊ぶ間もなく踊り続け
年頃になっても夜遊びなんて以ての外
トップダンサーに登り詰めたところで自分のダンスや体型に満足することは無く
日々自分のスペックを更新していかないとすぐに数多のライバル達に追い抜かれてしまう
過酷な表現に耐え抜く強靭かつ美しい身体を作り上げ
プレッシャーを弾きかえす精神を鍛えあげる
彼らの姿はまさに超人
舞台上で神々しい光を放つ超人

しかし、ダンスにさしたる興味もなく超人よりも人を愛するマシンボーイにはカメラの向こうの彼等の努力には狂気すら感じる
ダンサーとして生きるが故に人であることを捨ててしまったかのような狂気

舞台袖でマル○リダンスを教えてくれた女の子達や
実は僕のことを好きだったらしいゲイの男の子
舞台には真剣だったが舞台を終えれば年相応に遊び笑う彼等のほうが
人として魅力的だったし
だからこそできる表現もある気がする
今でもどこかの舞台で元気に踊ってるんかな?

久々に思い出して感傷に浸る
ああ、懐かしの白タイツ…