すずき

ミミックのすずきのレビュー・感想・評価

ミミック(1997年製作の映画)
3.7
NYで伝染病が流行。
伝染病を媒介するゴキブリを殲滅するため、ゴキブリの天敵として遺伝子操作で作られた昆虫・ユダ。
3年後、ゴキブリは殲滅できたが、本来子孫を残さず1世代で死滅する筈のユダが、なんと増殖・そして超進化して生きていた!
ユダを作った生物学者スーザン博士と夫ピーターは調査の為、靴磨きの老人マニーは行方不明の孫チューイを探す為、ユダの巣窟であるNYの地下奥深くへと潜り込む…
ギレルモ・デル・トロ監督によるムシムシパニックホラー。

ゴキブリを殺してくれるユダ、益虫やんけ!と思うけど、3年で超進化した彼らはすっごくイヤな虫。
何がイヤかって、まずデカい。
幼虫ですら手のひらサイズのカメムシ。成虫は成人男性ぐらいのカメムシだ!
そんで、夜行性で人があまりいない場所で、羽を閉じてじっとしてる。キモい!
それはパッと見、ロングコートの人間に見え、ご丁寧に前足は人間の顔のように見える。つまり擬態(ミミック)しているのだ!
で、人が近寄ると羽を広げてバサバサバサ…!キモい、キモすぎる!
じっとしてるセミに気付かず近づいてしまって、突然飛び出してくる、あれのデカいバージョンだ!
しかも、アリの様に群れ、NYの地下にびっしり湧いている!
そして極めつけは、人間を捕食する!
でも一番キモかったのは、オープニングの大量のゴキブリ(実物)だったのは内緒だ!

序盤はあまりユダの姿もあまり描写されず、モンスター映画としてはちょっと地味な印象に感じる人もいるかも。
サスペンスっぽくて、それはそれで嫌いじゃない雰囲気だけど。
でも中盤からは、ユダが大量にいるNYの地下迷宮で生き延びて脱出する、「エイリアン」のような王道モンスターパニック展開へと羽化する。

B級モンスターパニックな設定ではあるけれど、所々デル・トロっぽい。
NYの地下鉄の奥深くは「ヘルボーイ」、爺ちゃんと両親のいないちょっと「特別」な孫という関係は「クロノス」、あとデカい虫ネタは「パシフィック・リム」にもあったよね。

笑ったのは大量のユダに追い詰められるシーン、その打開策が、ユダの死体を捌いてグチョグチョの器官を取り出し、身体に塗りたくる!というもの。
曰く、匂いをつけることで逆にこちらが擬態する、との事だがイヤ過ぎるw
しかも血の匂いを消すため傷口には入念に塗りたくる…最初、虫が伝染病を媒介するって言いませんでしたっけ…?ゴキブリじゃないけど、絶対に他の病気に感染してるよねw