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エドワード・ヤンの恋愛時代のtonyのレビュー・感想・評価

4.1
今回は二人。登場人物の全員が各々を知っていて、いろんな登場人物が変わるがわる付いになって自分のことではないというか、誰かのフィルターを通した話をする。それは虚でしかない。最後は自分の純粋な話ができて平和に終わるのであるが。あれほど複雑に関係を設計していることろがすごい。だから、私のような理解力のない者は登場人物の相関を理解できないまま話が終わってしまう。台湾人の名前は男女の区別もわからない。しかも、会話が早口で字幕についていくので精一杯になり、1回目は概要を掴んだだけになる。2回目でようやく相関がわかってきて、誰が誰について言っているのかわかってくる。エドワードヤンの映画は話している人がどう映っていてどこを見ているのかが面白い。でもヤンヤンを先に観ていると、そっちの完成度にこっちは劣ってみえてしまう。画角には常に二人映っているので、これこそカップルズなのではないかと思っていたが、原題は独立時代だった。映像は二人だけど、心は一人ということだろう。これにしてもヤンヤンにしても、逆光のシーンは映画の終盤に出てくる。そのことで影になった彼らに、観者はそれぞれが思う彼らをその影に投影して、物語を自分用にチューニングしてクライマックスに向かうのだろう。
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