悪魔を見てしまった。
ほんと、辛い。自分の中の悪魔が蠢いて、痛い。
このような出来事に対して、私は主人公と同じ感覚になるだろう。もっと自制されず、どれだけ苦しめるか、生き地獄になるか、精神が崩壊するまで追い詰める。追い詰める「べきだ」と思ってしまう。そんな悪魔が私の中にも確かにいる。そもそも人権を無視したやつに人権を適用するべきでは無いとも思う。それが平等ではないのか。
とか言ってると、みんな悪魔になってしまうだろう。人はギリギリのところで、どうにか人として生きている。
そんな悪魔としか言いようの無い犯人の形相は、チェ・ミンスクの素晴らしい存在感と重なって、悪でありながら芸術彫刻さながらの見応えである。オールドボーイと並んで、まさにトラウマ級に魂を鈍器で殴られるような演技、圧巻です。