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愛しのハーフ・ムーンのtakのレビュー・感想・評価

愛しのハーフ・ムーン(1987年製作の映画)
2.5
滝田洋二郎監督が衝撃作「コミック雑誌なんかいらない!」の後で撮った青春映画。原田美枝子の原作で、結婚間近のヒロインの揺れる心情が物語の中心。されどセックスをめぐるトラブルばかりが目立って、石黒賢と伊藤麻衣子が演ずるちょっとお堅い二人の成長物語はどうも印象薄い。全体的にザラついた映像が余計に時代を感じさせる。

僕の出身地では、80年代前半、19時の時報CMは某乳製品メーカーのものだった。高校時代、そのCMに出演するタレ目の女子が男子の間で話題になった。部活終わって、あの時報CMに間に合うように帰宅するヤツまでいた。そのCMに出演していたのが、伊藤麻衣子(現いとうまい子)。その後大映ドラマなどで大活躍するのだが、にっかつ製作の一般映画に主演したのがこの「愛しのハーフ・ムーン」だ。

今の目線で見ると、男子たちが口にする結婚観に見える昔ながらの感覚や、嶋大輔や堀江しのぶ(この作品の翌年逝去)の性の奔放さに呆れてしまうかも。石黒賢に堀江しのぶが迫る場面は圧巻。こんなことされたら男は撃沈でしょ。伊藤麻衣子はヌード場面の撮影があると知らされない騙し討ちがあったとも聞く。でもそこを目当てに観る映画ではない。

80年代の青春映画にしては、あまり時代性を感じられず。フォーククルセイダーズが流れたり、結婚披露宴場面では大昔の定番曲だったり。エンディングで流れる伊藤麻衣子の歌のアレンジで、あぁ80年代だった、と我に帰ったw。

初回鑑賞は1996年地上波深夜枠にて。
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