ダイゴロウ

男はつらいよ 寅次郎恋歌のダイゴロウのネタバレレビュー・内容・結末

男はつらいよ 寅次郎恋歌(1971年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

シリーズ第8作目。
かなりお気に入りの回。

博の母親に対する想いを話すシーンの優しさにぐっとくる。(博が本当に好きです…。)
名優志村喬演じる博の父と寅さんの関係性も素敵…。
博の父は無口だし、他人に対してどこか距離をおきがちな性格なので、おいちゃんや博との会話ですらどこか気まずい雰囲気になってしまうが、良い意味でも気を使わない寅さんはそんな壁も無視して話すことができるので、場がパーっと明るくなる。
そんな寅さんの強みが素敵で、孫を抱えさせられたときに思わずこぼれた博の父の笑顔にほっこり…。

今回のヒロイン貴子との終局も今までとは違っており、寅さんが自ら身を引く切ないものになっています。
お金に苦労する貴子の助けになるような相手として、自分が不適切だと感じたのもあると思いますし、貴子が心から羨ましいと言った"自由に旅する寅さん像"と、商売するにも警察から注意を受けるような、苦労の多い生活との大きな乖離が、そのまま貴子との心の距離のように感じてしまったように思われました。

その後寅さんがさくらに聞いた
「兄ちゃんのこんな暮らしが羨ましいか?」という質問に対するさくらの回答が本当に優しくて…泣。

切ない回ではありましたが、最後の旅の一座との再会は晴れやかな気分にさせられますし、総じて大満足の回でした。