【詳述は、『抱かれた花嫁』欄で】永く『~季節』の印象で凡骨監督と決めつけてが、２１世紀に入り、これや『麻薬３号』等で印象を改め、近年は悪くない作家と、エラそうだが思ってきてる。

獣のように暴れまわる『女体』の浅丘ルリ子、利発冷静だが優しい普通の女子学生である本作の北原三枝。まったく正反対の二人だが、二人とも超がつく肉食系女子で彼女たちの行動が他の日本人に受け入れられず孤立していくところも似ている(二作を手掛ける脚本家池田一朗(隆慶一郎)の嗜好なのだろうか)。

スレンダーな肉体の美しさと確かな演技力で肉食系キャラに存在感を与える北原三枝が素晴らしく、男をクールに挑発する仕草や男を見る鋭い目線はまさに獣。

そして姫田真佐久によるシャープな映像が冷淡な肉食系の世界を華麗に彩っていく。特に北原が太陽の光を浴びながら水道の水を飲むところは美しさとエロチックさが入り交じった名場面。

本能に従って行動した結果周囲の人たちに追い込まれた彼女が外の世界に放り出されたようなエンディングは中途半端な気もするが、それでも反省することなく毅然と立ち尽くす彼女の姿はそれはそれで味わい深い。

北原が家庭教師として教えに行っている学生の、彼女を憧れのお姉さんとして崇めていたのに自分の父親と関係していたことを知り暴走する展開は童貞の頃を思い出して痛切な気分になる。

子供会も家庭教師もベーゼのダシすぎて最高。北原三枝がキャンパス歩いてるだけで強い。デカいし。座った二本柳寛の膝に寄りかかって股間に顔が近すぎる。ボタン食いちぎりのお返しとして直彦クンが噛みつく手。今日は学生グループの中に二谷を見つけられて嬉しい。美佐子が靄の中朝帰りして鏡見るとこ好き。黒木瞳ばりに泳ぎまくったり体力が有り余ってるから代わりに着ぐるみバイトするとか、もうやっぱり体が元気すぎるんだよ北原三枝。水着一丁で上高地から歩いて帰れそうだし。いつも店の用心棒は柳瀬志郎さん。