ちろる

至福のときのちろるのレビュー・感想・評価

至福のとき(2002年製作の映画)
4.0
美少女発掘に余念の無い事で知られるチャン イーモウ監督の2002年の作品。
盲目の少女と、冴えないおじさんのぎこちない絆が切ない。
くそブスデブの女に猛アタックする主人公(しかも騙されてる)は、可憐なドン ジェンにははじめ冷たくするとか、
その可愛いドン ジェンの白いパンツ姿にさせるシーンが無駄に多いとか、ちょっと演出が監督の妄想強くて気になるといえば気になってしまうのだけど、岩井俊二しかり、大林宣彦しかり、こういうシーンがある意味監督のエネルギーなのだから仕方ないとする笑

ちなみにこの主人公のおじさん以上におじさんの周りの人たちの無償の優しさに感動してしまうから少女がお札がわりの紙切れの匂いを嗅いで嬉しそうに握りしめる気持ちを反芻して涙が出てしまった。
瑞々しくて、清らかな少女の不憫すぎる境遇にはとにかく遣る瀬無い思いにさせられてしまう。
助けが必要な少女の笑顔を保つために、何も持たない貧しい男に何ができるであろうと思ってしまったが、結果的に彼女にとってのおじさんとの時間は大切な宝物になったと思いたい。もちろんそれはおじさんやその仲間にとっても。
彼女の未来は前途多難だけど、この宝物が勇気となって幸せになれると信じたい。
そしてあのデブス意地悪ババアとその息子がお願いだからいい死に方しませんように。
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