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EUREKA ユリイカのOGSのレビュー・感想・評価

EUREKA ユリイカ(2000年製作の映画)
3.7
ようやく見ることができた。
レンタルで幾度借りても毎度見れないまま返却してた。
やっぱり3時間超えの映画は、1日をそのためだけに費やす覚悟がないと見れない。体感的には2時間映画を2本見るよりタフ。

実際のところ、この作品は長いと感じたあたりで、終わらないで欲しいと思わせる展開が起こる。緊張と緩和の使い分けにとても長けてる。凄い。
それでも自分なら2時間台にはしたいけれども。
この尺であるがゆえ、視聴ハードルがどうしてもあがってしまうはず。
例えば、たむらさんのカットは割りが少ないのに全てを捉えていて本当にお見事だけど、バスの走りの俯瞰や、カット尻のパンしていくシーンが多くてそこは正直食傷気味だったから削りたい部分かも。

肝心なシナリオに関しては、凄惨な事件に巻き込まれた3人にとっての再生へと向かうロードムービー、なんて言ったら都合が良すぎるほどに、当事者の心情を浅く推し量ってきた自分の浅はかさ、愚かさに真っ向からぶつかってくる。人の数だけ死生観が存在し、個人と社会との隔たりを産むものであるということに改めて気付かされる。

芝居は、というか、もう宮崎あおいが本当に凄い。
同い年なんだけど、自分が遊び呆けていた時に、日本映画の傑作で抜群の存在感を示していて、なんかずっと自分恥ずかしいという気持ちだった。。。

ただ、一つ理解できなかったのが、役所広司演じる沢井の病の姿。
あれは自分には必要な演出だと思えなかったなぁ。
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