Newman

ラブ・レターのNewmanのレビュー・感想・評価

ラブ・レター(1998年製作の映画)
3.8
不法滞在になってしまった中国人女性が引き続き日本でホステスとして働くために、日本人男性と偽装結婚する話。この映画は1998年の作品だが、たった26年で栄枯盛衰を感じる。当時は中国人女性が日本でホステスなどの水商売をして母国に仕送りをしていたのだなぁと。現在は日本人男性が収入の多い中国で働く時代になってしまったし女性も景気のいい海外に出稼ぎに行くという話も聞く。まさに隔世の感ありです。そのうち貧乏な日本には外国人労働者なんていなくなるかも。片側で円安になれば日本の景気は回復するいいことばかりだと言っていた政治家は、救いようのないほどの労働力不足はどうするつもりなのでしょう。大きな問題になる頃にはもうご自分は骨になっているからいいやとでも考えているんでしょうね。当時を知り、今を考える良い機会になりそうです。中井貴一が主役なのですがチンピラの弟分役で現在国会議員でいらっしゃる山本太郎さんが出ています。どこがいいのか国会議員、確かに俳優にはいつ売れなくなるかという心配はあるだろうけど。一度の失敗でもあれば国会議員だって似たようなものかも。映画の中身の話。彼女の遺体の薬指には20万円で買った実際は5千円の価値しかないまがい物の指輪をしていて吾郎さん(中井貴一)はそう言えば指輪をあげたんだということを思い出す。はるばる日本にやって来て誰も看取ってくれる親戚もいない。日本もいずれはそうなるのかも。昔は日本もそうだったわけだし。そうならないように日本の男は頑張らなければそんなことを考えました。最後に出てきたのが寝台特急札幌行き北斗星でした。始発駅は上野だったんだろうな。山本太郎さんが解説していた売春を仕事としている女性はエイズとかでなくウィルス性肝炎でやられる。セックスでも感染し、肝臓をやられ栄養を取らずにいるとすぐに肝硬変になるし若い分だけあっという間に死んでしまうという話は気になりました。お涙頂戴映画と分かってはいてもジワッとさせられる映画でした。
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