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ビンゴのYOKのレビュー・感想・評価

ビンゴ(2012年製作の映画)
2.8
山田悠介原作か~!ッてことで観てみた。山田悠介作品だと、ジェットコースターがてっぺんっで止まっちゃって誰か一人が生き残るまでこのままだ、って作品が読んだ中で一番記憶に残ってる。作品名なんだっけ🤔

今作は読んだことがないんだけど、死刑囚でビンゴしようや!ッてかなりイカれた発想よね。しかも実行しちゃうなんて…この映画の舞台である日本大丈夫?国が病気か?

映画が始まって10分程度でビンゴのマス目に人が配置されてしまうハイスピードさがすごい。いつビンゴ始まるの?なのろのろ展開でないところ、好感触。ただ絵面がとんでもなくシュール。

「ビンゴした無罪放免やー!出られんでー!」ってめっちゃ呑気だなぁって思った。基本的に悲観的な私がもしこの場にいたら「あかん…ビンゴになったら5人まとめて処刑じゃん…」ってなるんじゃなかろうか。

しかしこんな方法は現実的にありえんよね。ニュー速報で『本日ビンゴが行われダブルビンゴとなり、9名の死刑執行が実施されました』とか流れたら、なんかもう法治国家とは?ってなりそう。死刑制度に反対する訳では無いけど、このやり方はちょっと乱暴。執行の仕方も即時すぎて執行官のメンタルが心配。

現在の日本の死刑執行までってあまりにも長すぎるし、法に法ているかも疑問な点がある(刑事訴訟法では、死刑の執行は、判決の確定後、原則として6か月以内に行うよう定められている)ので、この期間を含めて見直しは必要だと思う。

ってか、この映画あんまり明確にそれぞれの死刑囚や関係者に対する罪とか過去とか人間関係が描かれていないので感情を誰に寄せればいいのか分かりにくかったな~。語られていても「それ本当に?」な疑問が生まれちゃったし。

ラストも「救われた」とか言って満足気だけど、見ていたこちらは「なんだこりゃ」ってなる救いのない胸糞感あるぞ。これでええんか???

死刑囚や死刑をテーマにしている時点で主人公が助かっても助からなくてもモヤモヤはある程度残るのは覚悟してたけど、だとしても、実はこうでした!な展開は余計に思えた。途中まで多分こうなんだろーなーと思っていただけに、女の子の判断の後のネタバレじゃあ「いや、結果的にこの子一人勝ちじゃん?」ってなるわ。

見たことない設定やゲーム感や救われない感には山田悠介らしさがあったので、本で読んだ方が楽しい作品なのかもしれん。
本の方がもっとキャラクターの設定について書かれたりするのかなー。分からん。
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