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ATMのTSのレビュー・感想・評価

ATM(2012年製作の映画)
1.1
【はよ逃げんかいな】8点
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監督:デヴィッド・ブルックス
製作国:アメリカ
ジャンル:サスペンス
収録時間:90分
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酷すぎる。ワンシチュエーションスリラーは好きですが、今作はそのワンシチュエーションスリラーすら成立出来ていない珍作と感じました。闇雲に密室劇にしたら、鑑賞者が納得すると思えば大間違い。

簡単にどういう作品か説明すると、友達3人がATMで金を下ろそうとしたら、外に謎の男が突っ立っていてそれに怯えATMにひたすら留まるというもの。それ以上でも以下もなく、主人公たちの低脳ぶり、犯人の謎ぶりにため息をつかされてしまいます。

まず、この男が謎。動機が全くわからない。殺人をしたければ思い切ってATMに入ればしまいなのに入ろうともせずにただ外で突っ立ってるだけです。まあこの理由は最後にわかりますが、そのあたりの通行人に関しては容赦なく手をかけます。仮にこれが犯人の入念な計画としても穴だらけというもの。そしてご都合主義の如く、今作に登場する主人公は思いっきりお馬鹿であります。ここまで間抜けな人たちをターゲットにしなかったら犯人の計画はおおよそ成功しなかったと言えそうです。

そしてこの主人公三人。別にドアが開かないとか、まわりが逃げ切れない劣悪な環境などではないのに、外に武器なしの男が一人突っ立ってるというだけでATMにひたすら留まり続けるのです。いや、普通に走って逃げたらどうにかなったのでは?ましてや男が二人もいるのですから、立ち向かっても勝機は十分にありました。ところが彼らは逃げ出すということより助けを待つということを選ぶので頗る間延びしてしまうのです。これが非常にイライラさせられます。はよ逃げなさいな。と突っ込まずにはいられない。狼やライオンならわかりますが厚着をした人間ですよ。。

浸水してきた時も、いや窓ガラス割ればしまいでしょう?とか間違って死体に火炎瓶を投げてしまうとか、肩車から落ちた女性が即死だとか、その場にいた主人公を間違えて警察が逮捕してしまうとか突っ込むところが多すぎます。形はワンシチュエーションスリラーですが、ワンシチュエーションスリラーに必須の緊迫感、そして絶望が今作には皆無というのが致命的です。

主人公たちも十分寒そうでしたが、見ているこちらも凍え死にそうなくらい面白くない映画でした(笑)脚本は『リミット』を手掛けたクリス・スパーリングだそうな。『リミット』は世間では酷評の嵐ですが、僕は好みです。それだけに今作の出来は残念でありました。
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