9時間の長尺三部作の第一部、朝鮮独立弾圧~満州事変までの混沌とした、一触即発の満州が描かれています。
子役時代の中村勘三郎が熱演。満州鉄道等の事業を満州で興す伍代コンツェルン(モデルは現在の大手自動車会社N)の末息子役。共産思想の家族の息子や芸術家と知り合い、資本家の親との間で矛盾に悩む。今後のドラマの主役になるか。
中国語が標準語で、日本人同士が中国語で話す場面も多く、役者の熱量を感じた。
伍代コンツェルンは、本土では新興の財閥であり、満州での利を占めようと、関東軍との結びつきが強く強欲。
コンツェルン一族とその息子たち、娘役の浅丘ルリ子、満州で生まれた日本人二世の医師たち、裕福な中国人医師家族の、いわゆる上流階級と、
搾取される工場労働者、共産主義者たちの労働階級と、
張作霖、蒋介石の革命家と、朝鮮人の抗日パルチザン徐在林、抗日の匪賊たち、
関東軍の司令官等の血の気の多い軍隊と、
満州国を建国に向けた各層の思惑は異なり、満州は混沌としていた。
どの階級や立場とも異なる二人の人物に注目。
一人は通訳者の中国人(山本学)
もう一人は現地の流通業者の日本人(高橋幸治)
誰の味方でもなく、行く末を見届けようとし、何度も九死に一生を得ています。
三國連太郎、芦田伸介、滝沢修それぞれ役どころは違えど、凄みと存在感あり、怖いわ。
浅丘ルリ子の奔放で冷めたお嬢様がこの先どう変わっていくのか、ドラマの鍵となりそう。
以下、覚え書き(漢字だらけ)
・満州国成立に反対の紅槍匪による略奪
・奉勅命令が下りないのに張作霖爆撃
・蒋介石の北伐
・3.15事件で組合活動者逮捕
・済南事件
・朝鮮人による関東暴動
・張学良
・台湾での抗日活動の霧社事件
・満州事変