emily

フランス、幸せのメソッドのemilyのレビュー・感想・評価

フランス、幸せのメソッド(2011年製作の映画)
2.7
 三人の娘がいるシングルマザーのフランス。20年務めた会社が倒産し、単身でパリに出稼ぎに。腕利きトレーダーのスティーヴもロンドン勤務を終え、パリにもどってきた。そんな彼が家政婦として雇ったのがフランスだった。さらに分かれた妻から息子の世話を1か月頼まれ、フランスは休みを返上し住み込みで息子アルバンの世話もすることになる。真逆の二人が徐々に距離を縮めていくが、決定的な事実が明るみになり・・

 冒頭のケーキが灰でできたみたいな風貌に見え(個人的見解です)あまりにもその印象が強い。価値観も生きてきた環境も全く違う二人が、お互いの仕事は自分にはできない事だと認識し、興味を持ち距離を縮めていく過程の描写が好感が持てる。上から目線のスティーヴもアルバンのお世話まで頼むことになり、弱みを見せたことで、フランスに対する信頼が自然と生まれる。そんな二人の心地良さも一気に逆転劇へ。

 20年働き上げた会社の人たちとフランスの関係、子供たちとの関係がその一コマに集約されていて、その人となりは、本人が極致に追い込まれたとき、周りの人たちの行動を見れば分かる。フランスは家族にも同僚たちにも非常に愛されてきたことがわかる。一人でワンホールのケーキを食べれたらそれは嬉しいことでしょうけど、やっぱり分け合い、誰かと一緒に「おいしいね」と言って食べるのが幸せ。おいしさは幸せは分かち合えば何倍にも膨れ上がる。
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