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最後の人
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『最後の人』に投稿された感想・評価

kazu1961

kazu1961の感想・評価

4.2
▪️Title : 「最後の人」
Original Title :「The Last Man Der Letzte Mann」
▪️First Release Year:1924
▪️JP Release Date :1926/01
▪️Production Country:ドイツ
🏆Main Awards :※※※
▪️Appreciation Record :2020-352 再鑑賞
🕰Running Time:72分
▪️My Review
ラスト前での初めてのただ一度の字幕の挿入。そこからのエンディングの構図は見事です。こうした「本来のバッド・エンドを引き立てる、奇跡のようなハッピー・エンド」という構図、アイデアがほんと秀逸です。こうすることで、本作は一層その救いのない物語=人生の悲惨さを引き立てています。老いることの残酷さ。失墜した権威。。。
本作、世界をリードしてドイツの表現主義を代表する作品のひとつで、映像表現に革命を起こしたムルナウの傑作で、ヤニングスの名演技に支えられた傑作です。
なんと言って主演のドイツの名優エーミール=ヤニングス。彼の評価を不動のものにした迫真の演技は、無声映画であっても身体と表情を駆使しあらゆる感情を見事に表しています。この演技だけでも見応えがあります。
内容的には、一切字幕を挟まないで物語は進行し、そこで描かれるのはあくまで小市民の生活です。室内劇で描かれるのは人生そのものなんですね。
人生を破滅させてゆく老ドアマンの姿は、彼が固有名詞を持たない代わりに、当時のベルリンに住む小市民(小さな誇りや権威にすがって生きている)全てに投影されうるもので、本作は一貫して彼の意識を通じて進行しています。
ドアマンが不安に感じれば画面は大きく歪み始め、心地良い夢を見れば世界が彼を中心に回転し始めます。恐怖を感じた時はホテルが倒壊しているように見えます。流れるように画面が移動し、やがて実際に映画の中を飛び回っているかのような錯覚に陥る。。。こうした撮影の技法はムルナウによって初めて実用化されたもので なんですね。
物語は。。。
大都会ベルリン。大通りに面した宮殿の様に立派なホテルの豪壮な玄関に年老いた門番が立っていました。彼は金ピカの制服を着て得意然としていました。彼はがっしりとした大男で軍人らしい頬髭をはやしていました。将軍にも見まごう自身の姿に誇りを感じ、金モールの制服を何よりも愛していました。こうしてこの姿で裏町の我家に帰って来る時程幸福なことはありませんでした。しかし重い荷物を持ちあぐねている姿を支配人に見咎められて、地下室のトイレ係に左遷されてしまいます。彼は何よりも金モールの制服を着ないで家に帰らねばならないのが悲しいのです。だが娘の結婚式にはどうしても制服で出席せんと思い悩んだ末、とうとう制服を盗んでしむいます。やがて全ての事実が明るみとなり、裏町の人々や娘からも嘲笑の的にされてしまいむす。彼は苦しみ嘆き、残すはひっそりとした死を待つのみでした。。。

▪️Overview
「カリガリ博士」「ジルフェスター」等の作者カール・マイヤーが書卸した脚本により「ファントム」「ジェキル博士とハイド」等と同じくF・W・ムルナウが監督したもので、主役は「ピーター大帝」「快傑ダントン」等主演のエミール・ヤニンクスでマリー・デルシャフト、マックス・ヒルラー、ゲオルク・ヨーン等が助演している。無声。(参考:映画.com)
TS

TSの感想・評価

3.9
【言葉はいらない】83点
ーーーーーーーーー
監督:F.W.ムルナウ
製作国:ドイツ
ジャンル:ドラマ
収録時間:72分
ーーーーーーーーー
ムルナウ監督の作品は初めて。メリエス、グリフィスやラングなどと肩を並べる映画史黎明期の名監督であると思われます。パッケージ的に気になっていた今作ですがやっと鑑賞出来ました。中々面白い。しかし、このストーリーを現代の技術で再現すると、恐らくこの映画の中の人たちのように嘲笑されることでしょう。この時代だからこそ、そして徹底した表現主義を貫いたからこそ生まれた名作であるのだと思います。

ベルリンの豪華なホテルで働いていたとある老人は、自身の姿を誇らしく思い、そのまま家に帰ることを何よりもの幸福としていた。ところがホテル側は、彼は年老いているということでポーターを辞めさせるのだが。。

現代の目線からはっきり言うとくだらない話であり、トイレ掃除に左遷された老人が後々周りの人に嘲笑されてしまうという話です。何故そんなに見栄を張ってしまったのだろう。など様々なことを考えてしまいますが、将軍のような服をきて闊歩するということは、当時のドイツでは名誉的なことだったのかもしれません。そう考えればこの老人の絶望も納得でして、死に値するような仕打ちを受けたのでしょう。

それよりも今作は撮り方が巧いということで評価される作品だと思いました。なんとこの作品、全編ほぼ字幕なしなんです。サイレント映画といえど、ところどころに字幕は出てくるのですが今作はほぼ出てこない。しかし、登場人物の動作、表情がくっきりと映されているため最早説明不要なのです。これぞ表現主義というのか。感心させられました。特に隣に住む女性が老人を嘲笑するような表情を映す時や、トイレ掃除をしているのを発見してしまった女性の表情を映した時などはかなり印象的でした。言葉はいらない。映像の表現で全てを伝えれるのだ。というムルナウの絶対的な自信も窺えてしまいます。

おまけのようなプラスアルファのエンディングは賛否両論あるものの、そこに至るまでに関してはなかなかの良作。迫真の演技をするエミール・ヤニングスに注目ですね。
毎度思うのだが、いつも公共トイレの清掃する方々は本当に大変だと思う。

「男はつらいよ 寅次郎かもめ歌」中に登場する「便所掃除の詩」を聞くと尚更なのだが、さて今回は華やか身分からトイレ係にまわされた老人の映画をチョイス。

サイレント期のドイツ映画を代表する作品で、革新的な映像表現で映画の文法をまた新たに確立したといわれる一本。

監督は「吸血鬼ノスフェラトゥ」「サンライズ」のF・W・ムルナウ。主演は第一回アカデミー主演男優賞受賞者として有名な名優エミール・ヤニングス。

ホテルの花形職業であるドアマンだった男が高齢を理由に、誰もが嫌がる洗面所のボーイへと左遷されてしまう。

あいにくと配置転換を言い渡された日は娘の結婚式で、男は出席者にいい顔を見せようとかつて着ていたドアマンの制服をホテルから盗んで出席する。

しかし、すぐに男が便所番に左遷されたことが親族や近所に知れ渡ってしまい、嘲笑われた男はあまりのショックに打ちのめされる……。

自分はホテル業界をよく知らないので、ドアマンが名誉職というのがあまり実感ないのだが、本編中に出てくるまばゆいぐらい立派な制服を見ると、それもすんなり納得させられる。

そして本作の大きな特徴はなんといっても映像のみによるストーリー説明で、つまり他のサイレント映画によく出てくる字幕による場面説明やセリフを極力排している。

だからこの映画。YouTubeで上がっている日本語字幕なしの動画でも内容がよくわかる。

あと作り手たちが楽しんで作っているのが感じる。

おそらくカメラが軽量化になり移動撮影が容易になったせいか斬新なシーンが多い。

窓越しから辞令を手に取るヤニングスを映したままカメラが窓をすり抜けて部屋に入ったり、夢の中でトランクを軽々と持ち上げながらホテルのロビーを縦横無尽に歩き回るのをカメラが追いかけたりするシーンは当時ものすごい衝撃だったのではないかと思う。

あと驚くのがあの急展開のラスト(;^ω^)

あんまりにもこれじゃ救いがないので、急遽付け加えたというラストなのだが流石に無理がある展開なので製作サイドがわざわざ注釈の字幕が入るという凄さ。

■映画 DATA==========================
監督:F・W・ムルナウ
脚本:カール・マイヤー
製作:エリッヒ・ポマー
撮影:カール・フロイント
公開:1924年12月23日(独)/1926年1月(日)

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