けーはち

霊幻少林拳のけーはちのレビュー・感想・評価

霊幻少林拳(1979年製作の映画)
3.1
1979年の作で80年代のブームに先んじたキョンシーもの。客死した出稼ぎの死体を故郷に還す術をかける云々といった伝承に始まり、怪しげな道士による儀式で東洋ホラー感満載だが、その道士が博打狂いで物覚えの悪い弟子を連れた珍道中になると、旅行く先々で出会うトラブルを切り抜ける神拳・キョンシー拳(キョンシーの動きを模した形意拳?)が披露され、さらには死体を装ってキョンシーの一団に紛れ込んだ少林寺僧侶(?)の悪徳役人への復讐劇への展開と、ホラー+アクションコメディ+サスペンススリラーなどの欲張りセット。キョンシーもの定番の制御を失って暴走する要素も薄く、アクションもどうにも平面的で、スリラー要素も唐突、最終的に悪徳役人を退治して勧善懲悪、大団円という武侠・功夫のありきたりな類型に収束する訳で、美味そうなものを全部ぶちこんだ闇鍋だがどうもどの要素も道半ばで、結局定番の調味料で纏めた平凡な味、という感想に。ともあれ作品として結果に繋がってはいないがキョンシーものの嚆矢としての志は買う。