ジャン・ギャバンとアラン・ドロンのおしゃれなクライム。オープニングからカッコいい。あの有名な曲がこの作品の劇伴だったのね。
画がいちいち決まっている。しかも最後までハラハラさせる展開のうまさ。名作と言われているのに納得です。
後のない刑期を終えたばかりのジャン・ギャバンが緻密に計画し、実行役にムショ仲間の若いアラン・ドロンに白羽の矢を立てるのだけれど、エレベーターを使う計画にはイヤな予感しかしない笑。おしゃれクライム「死刑台のエレベーター」も緊張感の中にぽかんと隙があった。
ギャバンの重厚感とドロンの若さの組み合わせがぽかんと抜け感を生んでいて、バランスも最高。
洒落たタイトルは原題のまま。劇伴は素晴らしいけれど、地下室の金庫とは関係なかった。
日の目を見ない地下室のような刑務所暮らしの中で一攫千金を狙って夢見た泡沫の夢というところかな。
オープニングで刑期を終えて帰宅するジャン・ギャバンは電車内の人々のふつうの暮らしぶりを耳にし、小市民め、と俺様はビッグだと思ってしまうところが抜け出せないアンダーグラウンドのサガなんでしょう。アラン・ドロンもしかり。
おしゃれクライムは教訓クライムでもありました。