みーちゃん

グラディエーターのみーちゃんのレビュー・感想・評価

グラディエーター(2000年製作の映画)
3.2
本作が人気あるのは理解できるし、話が分かりやすいくて面白いし、ラッセル・クロウが輝いているなーとは思うけど、昔から、なんだか熱くなれない。っていうか、脚本の浅さに共感できない。

◇本編に触れます◇


以前はコンモドゥスの最期をあんなに残念にしちゃったから?と思っていたけど、久々に見たら序盤早々からだった。

ローマ皇帝が、実の息子よりマキシマスに絶大な信頼を寄せるのは悲劇だけどあり得る。だから、息子の性格を踏まえ、行動を予測した上で、自分の亡き後はコンモドゥスの良き友であり、忠実な部下として、支えてやってくれって言うなら分かる。で、マキシマスが後継者と先代の遺言とローマ行く末の狭間で葛藤する、ってなら分かる。しかもコンモドゥスは馬鹿じゃなく繊細で、且つ自分の器が小さいことを自覚してるから苦しい。だからドラマが生まれる。

なのに、あれじゃあローマ皇帝があまりにも浅はかに見えるし、マキシマスが密かな野心を抱いていないと成立しない展開に見える。全然苦悩してない。

お姉ちゃんの方が資質があるにも関わらず、女性だからという理由で叶わないってポイントはぐっとくる。でも、マキシマスへの横恋慕や駆け引きの描写過多だし、おまけに想いが通じ合っちゃっているのが雑音だわ。全然苦悩してない。

一方で、このホアキン・フェニックスはとても良い。特に、コロッセオで闘技を見物している時のリアクション。肩をすくめたり、舌を出したり、大袈裟な表情で強がってみせるシーン。あれはコンモドゥスという、複雑で愛すべき負のキャラクターをよく表現していると思う。

最後に。登場人物の中で最も尊敬するのは黒人ハンターのジュバ(ジャイモン・フンスー)。人格者だなー。この感想が娘と同じなのが嬉しかったw