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陽は昇るの一人旅のレビュー・感想・評価

陽は昇る(1939年製作の映画)
3.0
マルセル・カルネ監督作。

フランスの作家:ジャック・ヴィオの同名小説をカルネの盟友:ジャック・プレヴェールが脚色、巨匠マルセル・カルネが演出したサスペンスドラマで、ジャン・ギャバンが人殺しの男を妙演します。音楽はモーリス・ジョベール。

アパートの上階で人を殺し、自室に立て籠もった男の回想劇で、男が殺人を犯すに至った経緯を愛憎渦巻く男女の四角関係を軸に紐解いていきます。嫉妬心から殺人を犯した男の末路を、警察に包囲され追い詰められた現在の様相と女性との愛に満ち足りた過去を交錯させながら描いていく心理サスペンスとなっています。

『霧の波止場』(1938)、『北ホテル』(1938)に続くカルネの詩的リアリズムに数える佳作で、主演のジャン・ギャバンが愛憎と悔悟に揺れる男を無骨に好演しています。
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