爆裂BOX

ホットゾーンの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ホットゾーン(2001年製作の映画)
3.6
米国防省が湾岸戦争で使用する為にウィルスをガラガラヘビに植え付けて生物兵器開発を行っていたが、軍事スパイの侵入により研究所は爆破。研究は闇に葬られたはずだった…というストーリー。
エド・レイモンドことフレッド・オーレン・レイ監督による蛇パニックとウィルスパニックを合わせた作品です。
10年後、地震によりサンタミラの町の地下で密かに生き延び繁殖していた蛇たちが地上に這い出てきてしまう。蛇は町外れにすむ犬を始め、次々と住民に噛みつき、ウィルスをバラまいていく。相次ぐ病死者を不審に思った地元の医師デビッドは血液サンプルを国防省細菌研究所に勤める別居中の妻クリスティンに送る。その結果、新種のウィルスによるものと判明するが、軍の上層部はかつての研究が明るみに出るのを恐れ、生物兵器を抹消する為の恐怖のプラン「712」実行しようとしていた、という内容です。
本作に登場する蛇は本物を使っていて、地下の巣で蠢く蛇たちや、地面の穴から次々と地上に旅出してくるシーンなどは割と気持ち悪さありましたね。車のタイヤの影やトイレから現れたり、何時の間にか部屋にいたりする神出鬼没ぶりもいい感じでした。ただ、攻撃は噛みつきだけで、毒で死ぬんじゃなく蛇に植え付けられたエボラ出血熱ににたウィルスで死ぬので、画的に派手なゴア描写とかはないですね。終盤で地下道にいる蛇の群れの中を主人公が歩いていくシーンは、足元に飛び掛かってきたりして結構ハラハラさせられました。
どちらかというと蛇に噛まれたり、その蛇に噛まれた者の唾液や血液から感染して謎のウィルスが田舎町に広がっていき、主人公の医師が別居中の細菌研究者の妻の協力を仰ぎながら、その対策と原因究明に乗り出していくウィルスパニック映画としての面が強いですね。主人公や同僚の医師が懸命に治療に当たり、原因を探っていく所は中々楽しめました。
軍上層部がウィルス開発に関わっていて、隠蔽の為に町を封鎖して通信遮断して隔離したり、逃げようとする住民の車ヘリで追い掛けて爆撃したりとまんま「アウトブレイク」という感じです。
感染者の家族連れ出そうとした町の住民がヘリに追いかけられて攻撃受けて、トランクからバズーカ取り出して応戦する所は笑ってしまいました。どっちも物騒過ぎる(笑)爆発するヘリやヘリの攻撃で爆発する車、爆撃に向けて飛び立つ戦闘機のシーンは他映画のフッテージ流用しています。
「ゾンビコップ」や「ザ・グリード」のトリート・ウィリアムズが主人公のデビッド好演しています。ワクチン精製の為に蛇を捕獲しに蛇だらけの地下道を進んでいく時に蛇に軽口で話しかける所はちょっと「ザ・グリード」のフィネガン船長彷彿した(笑)別居中の奥さん役やその妹役の女優さんは美人でしたね。
悪役の軍の将軍たちもいい感じに憎たらしい悪役でした、最後も結構派手に散ってくれましたね。
爆撃とめるために主人公達が行動する所はベタながらやっぱり盛り上がります。序盤の保安官との会話シーンが伏線になってたのはこの監督作としてはかなり頑張ってるのでは。
蛇の退治シーンはモノローグでアッサリ処理されちゃいましたね。
流石に職人監督らしく、テンポも良く、蛇パニックとしてもウィルスパニックとしてもそれなりに楽しめる作品になっています。