けーはち

ロビンソン・クルーソーのけーはちのレビュー・感想・評価

ロビンソン・クルーソー(1996年製作の映画)
2.8
007ジェームズ・ボンド=ピアース・ブロスナンが今回は絶海の孤島でロビンソン・クルーソーを演じる。サバイバルの中で培った原住民フライデーとのアツい友情の物語だ!

★基本はデュフォーの原作通りであるが、ストーリー的にはサバイバルよりもクルーソーが命を救った原住民フライデーとのカルチャー・ギャップの果てに文化の壁を乗り越えた関係の描写がメイン。

★ブロスナンのロビンソン・クルーソー、20数年孤島でサバイバル生活を送った割に肌ツヤはよく身体はガッシリである。裏でジェームズ・ボンドの撮影やってるんだし、痩せられるわけない。おまけにボンドのニヒルでクールなイメージそのままを大事に演じる男だから悲愴感もそう強くない。サバイバル感はナシ。

★オリジナル要素としては、ロビンソン・クルーソーが外海へ出た理由として友人とカノジョの取り合いをして決闘で殺してしまったことがあり、これと最後フライデーとの望まぬ決闘がオーバーラップしてドラマを盛り上げる悪くない構成。

★宗教談義が面白い。当たり前にキリスト教徒で、キリスト教の教えこそが正義と信じるロビンソン・クルーソーと、そんなものは当然必要ない土着宗教のフライデーの世界観の違いが出てくる。フライデーの語るのは類感・感染呪術の話。要するに「◯◯◯を強くするために動物の◯◯◯を食べる」という類の話だ。心臓を強くするため、殺した敵の心臓を喰らう。それは人間であっても例外ではないのだ。当然クルーソーは「そんなもん神への冒涜だ、やめろ‼️」と言い募り、決裂するのだが、いずれ、そんなことにこだわり続けても仕方ないか、と諦める時が来る。「食人OK‼️食え食え〜‼️」とは言えないが、少なくとも、相互の文化を理解の上で歩み寄る余地はある。という話。もっとも、映画の最後には原住民の祭で無理矢理決闘させられ、さらにそこへ白人の征服者が現れて、み〜んな台無しになるんだけどね。まあ、目の血走った連中同士がぶつかると、しょせん相互理解なんてリームーよっていうメッセージなのかしらね‼️(笑……えない)