くじら

造られた殺人のくじらのレビュー・感想・評価

造られた殺人(2015年製作の映画)
3.4
 字幕版で鑑賞。報道の暴走と殺人鬼が絡み合って進んでいく展開にハラハラした。主人公の記者もちょっと難がある普通の小者っぽくてそこまで感情移入せずに見れてよかった。

感想
報道などについて
 事件の報道については、70年代くらい?に日本やアメリカでも報道が激化し、事件が世の中に大きな影響を与えた時期があって、それ以降特に米国ではそういった報道をしないというルールがあるらしいけど、それがない世界なのかなと思った。今の世界だとすぐ情報が行き渡ってしまうし、ネットで関係ない人が吊し上げにされたりと色々あるため、改めてメディアリテラシーを考えたい。事件の後、事件の話が次のニュースに塗り替えられていくのも、視聴率を取ることに躍起なこの映画内のメディアらしさが出ているなぁと思った。熱中しやすく冷めやすい世の中の示唆も兼ねているのかも。また局長の視聴者が信じたものが事実になる?みたいな言葉も、受け手にも問題があるという意味にも聞こえた。

本について
 事件の犯人が殺人を描いた本の一節に出会ってしまったことで変化したのを見ると、報道も本も方法に違いはあれど影響力があるものの怖さを思う。殺人を描いた作品を見て実際に人を殺す人は少ないけど、影響を受ける人はいて、でもだからと言って表現を規制するのはどうかと思うし…。
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