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銭形平次のHKのレビュー・感想・評価

銭形平次(1967年製作の映画)
3.4
ご存知ルパン三世に登場する銭形警部のご先祖です。
世代によって連想する役者が違うでしょうが、私の場合はなんといってもこの人。
銭形平次と言えば大川橋蔵、大川橋蔵と言えば銭形平治。
風間杜夫や北大路欣也ではありません。

本作はTVシリーズ開始1年後にその人気を受けて同じスタッフで制作された映画版。
TVが先というのは『三匹の侍』と同じパターンですね。

大川橋蔵のTV時代劇『銭形平次』は全888話で18年間続いており、同一の役者が同じ主人公を演じたドラマとして世界でギネス認定されているとか。
ちなみにこれに次ぐのが松平健の『暴れん坊将軍』。一番長く『水戸黄門』を演じた東野英治郎でさえ出演回数はこの半分以下ですからこの記録のすごさがわかります。

18年も続いてますからレギュラーも微妙に変化しており、私が憶えている平次のお上さんは香山美子(三代目)ですが初代は八千草薫で、子分の八五郎も私が知っている林家珍平は二代目でした。この映画版では、お上さんは水野久美で八五郎(ガラッ八)も別人です。
平次のライバル(?)の岡っ引き“三の輪の万七”はTVと同じく遠藤辰雄で嬉しい限り。

といっても本作は平次ビギニングで、序盤ではお上さんも子分もいないどころか、まだ岡っ引きですらありません。平次の過去が今明かされる!って50年以上前の映画ですけど。
映画が始まると丁半博打をやってるトビ職姿の平次が出てきてビックリ。
てっきり潜入捜査の変装かと思いましたが、この時点では本当にトビ職人でした。
敵役は相変わらず不敵な面構えの小池朝雄。手下の中に川谷拓三を発見。
舟木一夫(本人も出てます)の歌う主題歌の前奏がよく知ってるヤツと違ってちょっと不満でした。

ところで話は変わりますが、10年ほど前に新入社員に“岡っ引き”という言葉が通じずショックを受けたことがあります。
詳しく説明したあげく、「要するに時代劇用語なんですね?」と言われて納得がいかず、当時の20代の社員に片っ端から聞いても知らない人続出。マジか!
「時代劇なんてフツー見ませんからねえ」と完全に年寄り扱い・・・
ようやく当時30くらいの社員の一人が「岡っ引き? 親分てーへんだてーへんだ、おぅどうしたんでい八!っていうアレですよね?」と言ってくれた時には嬉しくて頬ずりしたくなりましたがセクハラになるのでやめました。相手は女子社員だったので(男でもしませんが)。
平次以前に岡っ引きを知らない。
10年前でこれですから、今聞いたらはたして何人知ってる?
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