筋肉的キリスト教徒

キング・アーサーの筋肉的キリスト教徒のネタバレレビュー・内容・結末

キング・アーサー(2004年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

マロリー的な「アーサー王伝説」!って感じではなくあくまで「史的アーサー」。
アーサーは当然男だしビームも出ない。

【キング・アーサー】なので円卓の騎士については、さほど掘り下げられておらずラストは「ベイドン山の戦い」で完結。

評価としては…うーん。やっぱり史実的観点からアーサーを映し出してもあまり面白くないんじゃないかなぁという印象。
「ベイドン、カムランの戦いの指導者的存在」としか記録されていないし話を広げるの難しそう。
アクションは剣と弓のみ、対立する勢力も蛮族同士で退屈だった。

作中ではランスロが討死するので、カムランにどう繋げるのかなぁと思ったり。というか、ランスロがギネヴィアに好意を寄せてそうなシーンはあったけどロマンス的導入もなかった。

個人的にアーサー王物語と全く関係なさそうな4-5世紀神学者の「ペラギウス」が出てきたことにびっくり。アーサー(アウレリウス)とペラギウスが紐付けられる事によって、アウレリウス自身のキリスト教解釈や行動も辻褄が合うようになっている。

ペラギウス主義とは簡単に言うと、キリスト教の根幹を成す「原罪」を否定し、人間中心的な自由意志に重きを置いた思想である。
アウレリウスは何度も「人間は平等で自由である」と叫ぶが、それは恩師ペラギウスの唱えた「キリストのように生きよ」を実践していたのではないだろうか。
アーサーが実はペラギウス主義者だった!という解釈はこの作品だけだと思います。