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キング・アーサーのmatchypotterのレビュー・感想・評価

キング・アーサー(2004年製作の映画)
3.5
これまた久しぶりに。
西暦400〜頃のローマ。“アーサー王”“円卓の騎士”“魔術師マーリン”と言えば、ローマ帝国の逸話として今なお語り継がれる伝説。

評価が思いのほか低いように思えるが、そんなことはないと思う。
世界史に詳しくないから、その辺の時代考証とかに問題があるのか。映画としては普通にそこそこ楽しめると思う。

その伝説の破片を壮大で重厚なスペクタクルに仕上げた映画。
だけど、話は重厚な王の物語というより、1つの任務、彼と彼の仲間たちの自由を手にするための最後の戦いにフォーカスした断片的なエピソード。

このエピソード、アーサー王Wikiだと有名なエピソードだった。サクソン人を撃退したのがアーサー王だ、という代名詞的な逸話の実写版。

よくよく観てみたら『プライベートライアン』にちょっと似てる。
あれも、ノルマンディー上陸作戦を命からがら生き延びた部隊に、まったく斜め上からやってきたような“彼を探せ”的な任務に駆り出された隊の戦火を生き抜く話だったが、これもそれに近い。

アーサーと“円卓の騎士”たちが、これまでの任期を終えてそろそろ退役が近づき自由の匂いが漂い始めた頃に、最大の試練かの如く、サクソンが激しく侵攻してきて放棄しかけてる場所に出向いて“とある人物”を見つけて保護してこい、というモノ。

その“とある人物”を求め、北に向かいながら、その土地土地の民と、“神”と、現実に向き合うアーサーと仲間たち。

己の覇道を貫き圧倒的なリーダーシップを発揮する反面、優しすぎて多くを背負い、仲間からもめんどくさがられるアーサー王。

それでも、だからこそ、その存在が、仲間の結束を強め、彼への信頼となり、己と、仲間と、周りを強くする。
この作品はかなり局地的な話ではあるが、そのアーサー王のキャラクター性や芯の強さが伝わってくる。

クライヴオーウェン、優しさと厳しさが共存する表情が印象的な無骨なイケメン。
その他、よく見たら割と他でも見たことある面々が“円卓の騎士”だったり。

アーサーの相棒として描かれるランスロット、カッコいい。
鷹を飼ってるマッツミケルセン、めちゃくちゃ雰囲気あって良い。
敵方のサクソンを牛耳っているのがステランステルスガルド。

どこもかしこも渋い男ばかり。
馬に跨り、傷だらけで、決して諦めず、屈せず、課せられた任務を全うする強い意志、自由への渇望。

途中から参戦のキーラナイトレイもめちゃ綺麗。
このむさ苦しい映画をほぼほぼ1人で中和せんとする存在感。
と言いつつ、個人的にはボースの妻も素敵。出番は少ないけど。

“12人の円卓の騎士”が年月が経ち7人に。
常にこの7人にフォーカスされてて、見せ場は必ずこの7人が、7人で相対す。

この“選ばれし7人”が本当にカッコいい。
あの氷上の戦いは、常套作だけど、この7人だから絵になる。

全ては自由を手にするため、長きに亘る歳月を苦楽を共にし、血を流し、もがき足掻いた果てに、最後の任務を果たした先にある、、、試練。

最後はまさに、死闘。そこまでの流れが、男気満載。

アーサー王、己の命を投げ打って、守れるものは全て守る、だからこそ、仲間がついてきて、仲間がいるからこそそれが為せる。これぞ彼の真髄。

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TSUTAYA DISCAS運営の映画コミュニティサイト「Discover us」にて同アカウント名でコラムニストをさせて頂くことになりました。
https://community.discas.net/announcements/ib1wyncr43idknqm
別視点で色々映画について書いていこうと思います!ご興味ある方は是非お待ちしております!
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