けーはち

中国超人インフラマンのけーはちのレビュー・感想・評価

中国超人インフラマン(1975年製作の映画)
3.3
ゴジラ、ウルトラやライダーなど日本の特撮オマージュをやっている香港映画の珍作。

幼稚園バスを襲う怪物、割れる大地、炎上する街、のっけからスケール感のちぐはぐな怪異だが細けぇこたぁ気にしない。個人的には地震に慣れてない香港人が「震度12」とか適当な数値を言っているのは許せんが(そこか?)……科特隊的な何かの研究所によって二つ返事で非人道的改造手術を受けるヒーロー、その裏でまだ誰も何もしてない科特隊基地に潜入、破壊の限りを尽くし隊員を虐殺する植物型敵怪人と、お約束の背後に迫る香港の暴力的テンポが好ましい。

変身ヒーローの殺陣の切れ味・体幹の強さを見せつける軽業は流石であるが、アイィ!ハイー!ホアタ!ビシィ!ドゴォ!グチャ!ボギボギィ!と香港らしい過剰な音声エフェクトをつけて、まるで和食の外観に香辛料たっぷり麻辣の刺激がビリビリ迫るような食感でクラッとする。

雑魚戦闘員VS呂小龍(李小龍=ブルース・リーのそっくりさんアクターで、当然ながら一般隊員枠では格段に強い)の珍奇な格闘、ヒーローVS怪人の巨大化バトルの決着後に巨大化能力を失った怪人をグチャッと踏み潰し緑色の体液をぶち撒ける、セクシー女幹部の腕を切断して溶岩に叩き落とす残虐処刑など子供番組ではないエグ味も強烈だ。正直1時間ぐらいで飽きがくるが、この珍味体験、損はなし。ちなみに本作もまたタランティーノがこよなく愛する香港映画らしい。またお前か!