鰹よろし

スティーヴ・オースティン ザ・ハンティングの鰹よろしのレビュー・感想・評価

2.0
 命知らずで知られる国境警備隊員のジムは、妻に出ていかれシングルファーザーとなったことで慎重派に転身。愛娘との時間を作るため危険な現場仕事ではなく内勤が主となる昇進を受けるのだが、その矢先の任務で相棒を死なせてしまう。

 4年後、相棒の死に捉われ国境付近のド田舎の山林を独りパトロールする彼の姿が。年頃故もあろう娘との関係も不良でなにかと問題が絶えない模様。そんな折、大金をせしめた裏切り者を追う強盗団が街に押しかけてくる。なんやかんやあって娘を人質に取られてしまったジムは、強盗団に協力する素振りを見せながら逆襲の好機を伺うのだった...

 何人いようが強盗団など瞬殺できる腕っぷしでありながら、仕事柄その土地を熟知しており絶対的なホームグラウンドでありながら、誰よりも大切な娘を人質に取られたことで主導権を握られ、本来の実力を発揮できない悶々な逆襲へのフラグは定石通りで安定。

 そして溜まりに溜まったフラストレーションを全開放していく満を持してのゲリラ戦は、親子の絆を際立てつつもなんだかモッサリしているけれど「パワー!」が感じられそれなりに面白くスッキリ爽快。

 ただ...、敵のボスの性格を当初は主人公と対をなす虎視眈々な知能犯として描いていながら、主人公の言動とは無関係に勝手に仲間割れ且つ自滅です~ぐ感情に奔る激おこプッツンスタイルに移行してしまう一貫性の無さはかなり残念。

 主人公の活躍に華を添えるためのご都合なのだとは思うが、むしろ折角の魅せ場を蔑ろにしているまであるので、もうちょっとどうにかならなかったのだろうか。まぁそんなことも含めこの手の作品の定石ではあるのだけれどね・・・


「クリフハンガー」(1993)...
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