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第三帝国の遺産のcatmanのレビュー・感想・評価

第三帝国の遺産(1985年製作の映画)
3.5
1985年公開。ジョン・フランケンハイマー監督作だと言うのにビデオスルーされ長らくソフト化されていなかった作品で、ついに先月からU-NEXTで配信が開始されたクライムサスペンス。ナチスの将校だった父親が残した第三帝国の遺産45億ドルの使い道についてマイケル・ケインが熱く語るセリフ、『私のリストのトップに来るのは、その金で新たなナチ政党を作らないということだ!!フォード車のデザインにもブロードウェイにも統一教会にも金は出さない!!』えっ統一教会?なんてタイムリーなんだ。本当にそんなこと言ってるのか?と思ってもう一度聴いてみると当該部分は「moonist」と聞こえる。文鮮明の英語表記は「Sun Myung Moon」だから、その信者をmoonistと呼ぶのか。そう言えば嫁はマザームーンと呼ばれているらしい。他のシーンでは字幕にヘンテコな日本語が散見されるものの、ここは翻訳者GJ。それにしても1985年に統一教会が既にこれほど影響力があったのかと驚く。

映画自体はベストセラー小説が原作の様だけど上手く纏められているとは言い難く、脚本や設定が取っ散らかっているので何がどうなっているのか状況が理解しずらい。キャラクターの掘り下げも中途半端。オープニングは雰囲気たっぷりで期待値が上がるものの、物語が全然ドライブしない。リボルバーのシリンダーをグイっと掴んで射撃を防ぐケインはカッコ良かった。自分なんかはこういう映像的な興奮がもっと欲しいんだよね。111分。
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