OASIS

シルバー・グローブ/銀の惑星のOASISのネタバレレビュー・内容・結末

2.5

このレビューはネタバレを含みます

アンジェイ・ズラウスキー監督による一大プロジェクト。
これはまた...とんでもない映画だが、とんでもない熱量を持っていることは確かだが...。
アレクセイ・ゲルマン「神々のたそがれ」やデヴィッド・リンチ「砂の惑星」のような、独自のSF的世界観。

ポーランド政府によって制作中止を言い渡されたにも関わらず強行突破で作ってしまえ!という力技でなんとか作られたという紆余曲折ある映画で、その影響を受けたぶつ切りの編集のせいで、旧石器時代みたいな原始人達が出てきたり、急に車が出てきたりして、文明の成長具合が異常に見える。
もはや撮り直しがきかないからとやけくそなのか、思いっきり現代的な風景描写の裏に惑星の設定をペラペラ喋ったりするから受け入れ難いのなんの。
駅の構内?みたいな場所から人々がエスカレーターで下りてくるシーンに惑星には敵がいてそいつらに襲われて...というような設定を被せて話すシーンはあまりに映像とナレーションが合ってなくて笑ってしまった。

巨大な施設から出てきて、さっきまで部族と話してたとおもったら、怪しい薬を飲まされて次の瞬間には車で走り去っているシーンのスピード感も面白かった。
全体的に画力、迫力はあり一人称カメラの臨場感は凄まじくて、3時間近くあっても印象的なシーンの連続で画的には飽きさせないが、台詞が抽象的なものが多くていちいち意味を読み解いてられないほどのものばかりでしんどかった。

この映画をこんな形で発表してしまったことがもう既にポーランド政府に対する当て付け、嫌味なんだろうな。
OASIS

OASIS