フカヒレ

フライトのフカヒレのネタバレレビュー・内容・結末

フライト(2012年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ロバートゼメキス監督作品。

最初に言っておくと、私はこの監督の映画が大好きだ。人間の美醜をしっかり描きつつ、最後はいつも希望ある見せ方をしてくれる。今回もしっかり私の期待に応えてくれた。

ウィップは経験と知識をフル活用して奇跡を起こし、たくさんの命を救ったわけだが、その一部の過程に問題があり、非難された。自分にも規模こそ違えど似たような経験がいくつもあり、すごく共感するところが多かった。例えば、仕事で成果を上げたが、その方法において正しいとは呼べない方法で行い、それを隠していたこと。成果を上げたと言う大義名分があるので、それを盾に自分のプライドを守るために嘘をつく。最終的にそれらが周りに露見することはなかったが、いつも心の隅に棘があるようなそんな気分だった。
ウィップは最後、自分の愛した女性に罪をなすりつけることをせず、全てを告白した。そのシーンを見て、自分もどこか肩の荷が降りたような、そんな感覚を覚えた。今はもうそんなことはしていないが、あらためてプライドのために誤った判断をしないよう気をつけようと思った。

アルコール依存や薬物依存がまた一つのテーマになっていて、これまでの大切なものは全てはアルコールによって失われてきた。依存物を捨てて、本当の自分と向き合うことでようやく家族との縁を取り戻す希望が見えかける、と言う良いところで終幕するのも○。依存で苦しんでいる世の中の人の救いになるようなエンドだった。
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