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風立ちぬのmacotoのレビュー・感想・評価

風立ちぬ(2013年製作の映画)
3.8
殺戮の道具でもある戦闘機に美学を求めてしまうのは矛盾を孕むような気もするが、
宮崎駿の飛行機への愛を、存分に感じた作品だった。

関東大震災の群衆の緻密な描き込みが圧巻。実際には阿鼻叫喚の只中だったろうが、妙に静かで人の声をあまり入れていないのが印象的で、逆にそれにリアルさを感じた。 

美しい姿だけ見て欲しかったのね
というセリフに、当時二十代だったわたしは、本当の愛なら醜い姿も愛するものだと、違和感を感じたが、今ならわかる気がする。

愛する者を想うからこそだったのだろう。
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