macotoさんの映画レビュー・感想・評価

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アンダーカレント(2023年製作の映画)

4.0

原作に忠実に制作されていた。
紙面上では伝わりきらなかった、かなえの深層心理が、人間の温度感とともにリアルに伝わってきた。

原作へのリスペクトと愛を感じた。

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

4.1

母には母の価値観があり、人生があり、愛していても息子のことを理解できない時もある。
思春期の息子とどう接していいか考えあぐね、住民たちに息子を良い方向に導いてくれるよう頼むが、住民たちが教えるのは夜の
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.7

感想が難しい。
前情報なしで見たので、ワクワク感はあったものの、また2回目も見たいかと言えばそうは感じることができなかった。

しかし、宮崎駿監督の夢を見ているようで、根拠や意図が明確である必要はない
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怪物(2023年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

ネタバレになるが、少年たちのマイノリティの映画だったというのが、結論になるが、中盤まで気づかない。

母親の視点、先生の視点、子供の視点。
それぞれの視点で描かれるため、先生の視点や子供の視点で描かれ
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ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

剛くんのその佇まい。
声音。
トランスジェンダーの悩みを持った女性の等身大の姿を演じ切った。
主演男優賞を取ったのも頷ける。

ヒロインの女の子の、新人ならではのまだ慣れてない感じも、役に合っていた。
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ある男(2022年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

終わり方にこの映画の価値はあるなと感じた。
名前を変えたいと思うまでの人物の心情や人々の差別意識を丁寧に描き、男の正体を知る謎解きだけでなく、謎を解いていた弁護士の深層心理までも炙り出していく。

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カモン カモン(2021年製作の映画)

4.0

9歳の甥っ子を預かることになった伯父ジェシー。
二人が徐々に距離を縮めていく心の交流を描く本作には、ところどころインタビューした子どもたちの声が散りばめられ、美しい。
未来を悲観する子もいれば、肯定す
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海獣の子供(2018年製作の映画)

3.8

3Dの海の生き物と作画がうまくマッチしていて、温かみのあるテイストになっている。
祭りの本番では、前衛的でアーティスティックな表現がされていて、さすが4℃。

ただ、ストーリー的には説明を端折られてい
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マイ ビューティフル ガーデン(2016年製作の映画)

3.5

思っていたよりは、物足りなかった。
ビリーが女と歩いていたのは事実なのに、嘘を信じて無理やりハッピーエンドに持っていくのに違和感を感じた。

フジコ・ヘミングの時間(2018年製作の映画)

4.0

フジコさんのカンパネルラは、日々なんとなく見て見ぬふりをして、やり過ごしている情熱や真実への乾きを、呼び覚ましてくれる感覚がある。
動物たちへの愛情や、お部屋へのこだわりなど、人となりが知れてよかった
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.4

お涙頂戴ものに見えてしまって、
映画としては、万引き家族の方がわたしには響いた。

それでも、
「生んでくれてありがとう」と言い合うシーンは、名シーンだった。

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

3.9

アニメ業界にいたので、アニメを作ることの大変さは、ほんのちょっとわかる。

画を生み出す時のアニメーターさんの姿勢、表情がリアルで、忘れられない演技となった。

妥協したら終わり。
本当にいい作品とは
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劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ハッピーエンドの大団円。
京アニの愛、伝わりました。
亡くなったスタッフの分まで、こんな名作を生み出した最高のアニメーション制作会社に、改めて敬意と感謝を込めて。

ありがとう。

タンポポ(1985年製作の映画)

3.9

「お葬式」に引き続き、拝見。
本筋とははずれた、シーンの一つ一つが強烈に印象に残っていて、
スーパーの品物を一つ一つ触って潰して回るおばあちゃんや、風前の灯のお母さんが死ぬ直前チャーハンをつくり、夫や
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お葬式(1984年製作の映画)

4.3

日常の中にある死を弔うための行事、葬式が、とても丁寧に、コミカルに、シニカルに、美しく描写されている。

まだ小学生の時に、この作品を見て、ブランコを漕いでいる奥さんの傍らで、浮気相手と性行為している
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ロマンスドール(2019年製作の映画)

3.8

腹上死なんて無理があると思ってたけど、
とてもよく作り込まれていて自然な流れで描かれていて違和感は感じなかった。
それどころか、2人の演技力に思わず感動してしまった。

癌であったことは悲しいことだけ
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風立ちぬ(2013年製作の映画)

3.8

殺戮の道具でもある戦闘機に美学を求めてしまうのは矛盾を孕むような気もするが、
宮崎駿の飛行機への愛を、存分に感じた作品だった。

関東大震災の群衆の緻密な描き込みが圧巻。実際には阿鼻叫喚の只中だったろ
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.0

片田舎の地方の踏襲制度と、都会の貴族の踏襲制度がよく似ているというのは、不思議な話。

日々、毎日何があったのか。
話せる人がいるだけでもいいんじゃない?

と話す美紀の言葉を聴いた後、
タクシーでは
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

羊と人間が合わさった獣人のアダに、
常に流れる不穏さからアダがその不穏の元凶かと思ってしまっていたが、
時間が経つほどにアダが愛おしくなる不思議な映画。

不穏の正体が最後明かされるが、
アダの人間と
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

3.6

ヒロイン二人のお顔はタイプではなかったので、最初感情移入が難しかった。
女中の子がいい味出してる。

最後の泣き笑いが印象に残った。

かいじゅうたちのいるところ(2009年製作の映画)

3.6

かわいいかいじゅうたちのいる世界と思いきや、とても複雑な人間関係の中に少年は置かれてしまう。
王様になってみんなを幸せにするという嘘は、少年の身には重すぎて。。
KWとマックスのやりとりが心に沁みる。

ロブスター(2015年製作の映画)

3.4

感情を排した台詞回しの中で、感情的な恋のやりとりが印象的。

アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)

3.9

人を好きになる時、
そこには理由なんていらない。

その人と共に生きる時、
そこにはさまざまな理由が発生する。

価値観、趣味、仕事。

そんなことを考えさせられた映画だった。


アデルは、きっと彼
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逃げた女(2019年製作の映画)

3.6

「愛する人とは、一緒にいるべき」という夫の言葉を会合する3人の友人の前で口にするガミ。

友人達は、
バツイチで、女性と同居し、野良猫に毎日餌をあげてたり、

独身生活を謳歌し、詩人の若いストーカーが
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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

3.7

ウィノナ・ライダーとジーナ・ローランズのロサンゼルスから始まる、タクシードライバーと乗客とのクセのあるやり取り。

どの話も好きだったが、華やかだったのは、この二人。

ジーナは、カサヴェテス映画のミ
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ダウン・バイ・ロー(1986年製作の映画)

3.8

ゆるい脱獄劇。

監房の中、ジャックとザックはソリが合わず、
不仲だったが、そんな二人の間にロベルトが入ってくる。

スター3人が監房の中で、
ただぐうたら無為な日々を過ごすが、
ロベルトの発案で脱獄
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ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)

3.9

あの時会えてたら
人生が変わってた

運命の相手だとお互い確信しているのに、
中々素直になれないのは、お互い別々の辿ってきた人生があるから。

会えなかった二人が、
生きてきた時間の重さ。

セリーヌ
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大いなる沈黙へ ーグランド・シャルトルーズ修道院(2005年製作の映画)

3.9

祈ることと真剣に向き合わなくなってしまった現代で、ここまで真摯にその行為と向き合い続ける空間があったろうか。

神は人間の幸せを願ってる
ということを、純粋に信じて疑わない盲の修道者のおじいさん。
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PLAN 75(2022年製作の映画)

4.2

生を選択できる。

とても優しく、魅力的に聴こえるが、
これほど残酷なことはない。

生きるとは、生きているということ。

何もできない、力になれないことが、
果たして意味を失うことになるのか。

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