リリー・フランキーと真木よう子の子だくさん夫婦って設定エロすぎ。
究極の家族愛映画はホラーになるという法則があるので、是枝最高傑作は吐き気のする『歩いても、歩いても』だと思っています。今回はステレオタイプなキャラクター設定も相まって、その辺より3段階くらいパワーダウンし普通の映画になっている感は否めません。
年を取って少しだらしない体型となり、突然俳優として化けた福山はとても良い演技をしていますが、対するリリー・フランキーの人たらしと言われる人懐っこく無邪気な存在感が反則すぎて、福山が不利すぎ。小野も是枝恒例の後ろ姿だけの狂気をはらんだ演技をしていますが、対する真木よう子の母性の塊の存在感というか、化け物女優が黒目だけの演技を全開にしていて、小野が不利すぎ。
上記の俳優のパワーバランスとキャラクターの設定がノイズとなって、福山家族の話が主軸になる後半部分が前半より弱いと言う欠点はありますが、優等生な映画として一定の水準は超えていました。
なにより、演技なのか素なのか分かりませんが、リリー家の下の子供2人の可愛さが尋常でなく、ラジコンを直してはしゃぐシーンがあまりにも魅力的。とてもいい映画だと思います。
余談ですが『凶悪』→『そして~』の順で観たので、裁判所のシーンで出てくる「ある人」が画面に一瞬写った瞬間声を出して笑ってしまいました。