映画武士道

バーニング・クロスの映画武士道のレビュー・感想・評価

バーニング・クロス(2012年製作の映画)
3.2
ストーリーとしては犯罪心理学の専門家で博士号を持つ刑事の主人公と凄腕の殺し屋の対決というまあありがちな設定の作品。
まず序盤は殺し屋の優秀さと残酷さを示すエピソードが続く、格闘技チャンピオンをぶったおしてターゲット宅に潜入し抹殺。
しかも殺し方は女の子の全ての指を切断してから目をくりぬいて殺し、その上切断した指は皿に盛りつけたり殺害現場で絵を描いて残していく。
というよく考えたら面白い設定だった。ただ目をくりぬくとか指を全部切断して盛りつけるのは正直うげー。って感じでよくないと思う。絵を描くというのはちょっと面白いのでその方向をもうちょっと変えたら面白くなったと思う。
その後中盤に入るあたりで主人公の刑事に仕事を邪魔された殺し屋が主人公の刑事の妻を殺害。
そこから復讐劇の様相を呈していく。
それまで紳士的知的な感じな印象だった主人公が変貌し、違法捜査ありありのヤバイ刑事に。証拠保管の警察の施設を襲撃して襲ってみたり他の殺人事件の証拠品を持ち出して無罪にしてやるからと言って犯罪組織のボスみたいなのかな情報を聞き出す。令状なしで重要参考人宅を襲撃し暴力によって痛めつける&銃をつきつけて殺害の脅しをかけて殺し屋の車の番号を入手するなど。
一通りレビューを見ましたが、やはり見飽きている設定なのかあまり評価は良くないみたいですね。

私もそこまで面白い!という評価ではないんですが、酷く懐かしい気持ちにさせられた映画でした。
犯人がターゲット宅にビルの配水管を泳いで潜入というシーンがあるのですが北条司先生の「キャッツアイ」を思い起こしてすごく懐かしい気持ちにさせられました。
またラストの結末も北条司先生の「シティーハンター」に似たようなエピソードがあったので(犯人から主人公の冴羽獠に依頼があると同時に海坊主にも依頼があってかちあうというエピソード)予想できてました。あと殺し屋の能力がすごく高い設定なのに仕事がちょっと雑なんですよね。
それで怪しいなあ~と。
あと犯人が格闘チャンピオンを余裕でノックアウトできる格闘能力の高さや動いてる電車から狙撃できるという戦闘能力の高さ&電車のプログラミングをその場で書き換えるというすさまじい能力を持っているんですがそれほど戦闘力が高いと思われない少なくても戦闘のプロではない一市警の刑事にタイマンしかも徒手格闘でやられてしまうのは納得いかない感がありました。
一応バディものになってますがバディの相棒はいいやつだなあ。というだけで特に印象に残らない。バディものである必要はない気がしました。相棒が敵にやられるとか相棒がド変態であるとか相棒が元特殊部隊の人で戦闘のプロ設定で戦場で心を病んでる設定とかにして相棒に戦闘を担当してもらうとか活かした方がよかった気がします。

あと最後に殺し屋のプロは超凄腕設定になってるのに車のナンバーを警察に把握されて、車から位置が判明しているのに最後まで気づかないのはさすがに間抜けすぎます。
しかも同じ車にずっと乗っていて、仕事道具の調達からターゲット殺害の現場まで乗りつけてしかも逃走もその車。
今は監視カメラが町中にある時代で刑事に顔を見られている。監視カメラから車のナンバーが把握される可能性を考慮するのは当然のはず。
凄腕殺し屋なら何か対策してるもんじゃないんですかね。
普通の犯人でも逃走用に車の替えを用意しておくものでしょうし(3億円事件とか)

まあいろいろ残念な映画ですけど、嫌いではない作品でした。
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